コラム

2024.10.04

おじぃ、おばぁ、いちまでぃん ちゃーがんじゅー しみそーりよー ~おじぃ、おばぁ、いつまでも元気で長生きしてね~

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ありんくりんニュース

全国交通安全運動は、交通ルールの遵守と正しい交通マナーの実践を習慣づけ、交通事故防止の徹底を図ることを目的に全国一斉に毎年春と秋に実施されます。

秋の全国交通安全運動は、秋分を迎えるころの9月21日から30日の10日間を交通安全に関する啓発活動期間と定めています。また、運動期間最終日の9月30日は「交通事故死ゼロを目指す日」です。

沖縄県では、特に高齢者(65歳以上)が道路横断中に交通事故に巻き込まれ死亡する件数がここ数年右肩上がりで、今年は既に昨年を上回るペースとなっています。

今回は、高齢歩行者のおじぃ・おばぁが事故に遭わないよう、いつまでも元気で長生きできるための働きかけはできないものか考えてみたいと思います。

 

「歩行中」の死亡割合が高い日本

警察庁交通局の「令和5年における交通事故の発生状況について」によると、日本は、交通事故に遭った歩行者が30日以内に死亡する割合が36.0%、また65歳以上の歩行者が死亡する割合は45.8%と欧米6か国と比較して高くなっています。左側通行の日本とイギリスが右側通行国に比べて「歩行中」の死亡割合が高くなっていますが、因果関係はあるかどうかは不明です。

 

沖縄の高齢歩行者は大丈夫?

令和5年に沖縄県内で発生した交通事故死亡者は38人(前年34人)で、うち65歳以上の高齢者が20人でした。

これは、全体の半数以上を占める52.6%(前年42.3%)となっています。なお、令和6年8月末で既に11人の高齢者が亡くなっており(うち8人が歩行者)、高齢者死者数は増加傾向になっています。

 

まとめ

秋の全国交通安全運動が始まる秋分(9月22日)の頃の日の出は真東、日の入りは真西になるため、昼夜がほぼ同じ長さになります。そして、トゥンジージューシーを食べる冬至(12月21日)の日は、1年のうち昼が一番短く、夜が一番長くなります。

誰でも歳を重ねるにつれ、判断能力の衰え、体力や反射神経の衰え、視力の衰え、聴力の衰えなどを多少なりとも感じるものです。このような様々な”衰え現象”も相まって、日没が早まるにつれ、夕暮れ時から夜間にかけて高齢者の交通事故の発生しやすい季節です。

左記は沖縄県警察が高齢者の事故防止対策の取り組みとして作成した「おじぃ・おばぁのための10の心得」チラシです。イラストのほとんどが高齢歩行者の心得となっています。信号のない交差点どころか道路を横断するおじぃ・おばぁを見かけたことはありませんか?

核家族化が進み、自立して暮らすあるいは様々な事情により一人で暮らす高齢者も増えています。家族や近所のおじぃ、おばぁに道路横断の際に気を付けて事故を避けるすべをみんなで声掛けしてみてはいかがでしょうか。

 


参考文献リスト
警察庁交通局 「令和5年における交通事故の発生状況」 令和6年3月7日
沖縄警察 交通白書ダイジェスト(令和4年版・5年版)、人身事故発生状況(令和6年8月末現在)
沖縄タイムス+プラス 「事件・事故」の2024年記事一覧

リスクマネジメント・アドバイザー 宮城 和美