コラム

2024.08.30

運転中に大地震が発生したときの行動

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防災の日
 

2024年1月1日能登半島で地震が発生し多くの方が被災しました。

また、2024年4月3日には、13年ぶりに沖縄地方に津波警報が発表され、県内各地で車での避難者による渋滞が発生するなど課題が浮き彫りとなりました。

そこで今回のコラムでは、運転中に地震が発生したとき、安全に避難行動をとるにはどうしたらよいか考えてみましょう!

 

大地震発生時の運転継続判断の意識調査

図1『自宅からの距離別の運転継続判断』

図1は、自宅付近で車を運転中に津波が発生しない大地震が発生した場合にどのような運転行動をとるかを自宅からの距離別に質問したものです。

『すぐに車から離れて避難する』と回答した割合は、自宅からの距離に関係なく15%程度で、多くの人が車を利用し続けることがわかりました。

 

図2『自宅からの遠方の場所別の運転継続判断』

また、図2は自宅から遠方で車を運転中に、津波が起きない地震が発生した場合に、どのような運転行動をとるかを質問したものです。

『すぐに車から離れて避難する』と回答した人は、人口密集市街地を走行中では30%弱ですが、それ以外の場所では、10%弱と多くの回答者が車を運転し続けることが明らかになりました。その背景としては、人口密集地域では社会インフラが整備されていることもあり、避難場所や救助者が見つけやすいことが想定されますが、それ以外の地域では、救助を求めにくいため車を利用し続けるといったことが考えられます。

 

 

運転中に大地震が発生したときの安全な避難行動について

1.落ち着いて停車させましょう
走行中に地震が発生すると振動によりハンドルを取られることがあるため、ハンドルをしっかり握り、急ハンドル、急ブレーキを避け、できるだけ安全な方法により道路の左側に停止させましょう

2.情報収集を行いましょう
停止後は、カーラジオなどにより地震情報や交通情報を聞くとともに、周囲の状況に応じて行動しましょう。

3.避難しましょう
車を置いて避難するときは、できるだけ道路の外の場所に移動しておき、やむを得ず道路上に置いて避難するときは、道路の左側に寄せて駐車し、エンジンを止め、エンジンキーは付けたまま、または、運転席などの車内のわかりやすい場所に置いておき、ドアは施錠せずに安全な場所へ避難しましょう

4.貴重品を持ち出す
車検証、ETCカード等の貴重品

5.やむを得ない場合を除き車の使用は控える
「津波が迫っているとき」で、やむを得ず車を使用するときは、道路の損壊、信号機の作動停止、道路上の障害物などに十分注意しながら運転しましょう。

※交通の方法に関する教則の改定について
道路利用に関するルールが記載されている「交通の方法に関する教則」には、2012年までは、運転中に地震が発生した場合「避難のために車を使用しない」とされていました。しかしながら、東日本大震災での実態を踏まえ、交通の方法に関する教則が改定され、津波から避難する場合においては、車の使用が認められるようになりました。

 


出典:警察庁「交通の方法に関する教則」をもとに大同火災作成
図1・2出典:交通工学論文集,第6巻,第2号(特集号B)「大地震発生時の運転行動意識調査に関するインターネット調査」をもとに大同火災作成

あんしん・あんぜん企画推進室