コラム

2025.06.12

知らぬ間に熱中症? ~梅雨が明けシーズン到来、今日からできる予防と対策~

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ありんくりんニュース

沖縄気象台は、6月8日頃沖縄地方が梅雨明けしたとみられると発表しました。今年の梅雨は短く、1951年の統計開始上最も短かった1963年の11日間に次いで二番目に短い17日間でした。沖縄では、梅雨明けや夏至(今年は6月21日)の頃に南寄りのやや強い風、夏至南風(カーチーベー、宮古・八重山地方ではカーチーバイ)が吹きます。この風はもわっとして湿度が高く、梅雨明けとともに本格的な夏の到来を知らせる季節風です。

梅雨明け後は、県内各地で日中の気温が30度を超す真夏日が続いています。そこで今回のミニは、熱中症の予防と対策についてご紹介します。

熱中症の4割が住居で発生

沖縄県がまとめた県内における熱中症救急搬送者数は、2024年5月から9月の4か月間で1,468人に上り、そのうち40.7%にあたる598人が住居で熱中症を発症しています。屋内の公衆施設を含めると、搬送者数は全体の半数に近い718人(48.9%)という結果となっています。それ以前の統計(2020年~23年)では、住居のみで37%~39%、公衆施設(屋内)を含めると42%~46%で推移していることから、熱中症のリスクは室内であっても十分高いといえます。全国の熱中症発生場所においても住居がトップ(38.0%)ですが、沖縄県は全国数値より3ポイント近く高くなっています。

熱中症を引き起こす要因と予防

高温多湿になりやすい場所(例:トイレや浴室・洗面所、健康サウナなど)での作業や行動、寝ている間のエアコンや扇風機の使用状況によっては脱水症状となり、室内でも熱中症の状態を引き起こしやすくなります。室内でも水分や塩分を適宜補給することが大切です。風通しのよい環境、体調管理、暑さが厳しい時の行動に注意して予防を心がけましょう。

出典:環境省熱中症予防情報サイト「熱中症の知識」をもとに当社作成

熱中症警戒アラート通知(無料)を活用しよう

5月21日、環境省と気象庁は八重山地方に今年全国で最初となる熱中症警戒アラートを発表しました。「熱中症警戒アラート(暑さ指数33以上)」は、熱中症の危険性が極めて高い暑さ環境が予測される際に、環境省と気象庁が共同で発表する熱中症予防に関する情報で2021年から全国運用されています。また、熱中症による重大な健康被害が発生する恐れのある場合には、「熱中症特別警戒アラート(暑さ指数35以上)」が発表されます。

この熱中症警戒アラートは環境省公式LINEアカウントから1日2回無料配信しています(サンプル画面参照)。アラートを受け取りたい観測地点と暑さ指数を複数設定することができ、熱中症の応急処置(予防しても、熱中症になった場合・疑った場合の対応)や暑さ指数など他の情報も掲載されていますのでご参照ください。

環境省熱中症予防情報サイト – 環境省公式LINEアカウントによる情報配信 (env.go.jp)

参考:環境省 熱中症予防情報サイト、熱中症環境保健マニュアル2022をもとに当社作成

 

まとめ

いつでも、どこでも、誰でも、環境・条件次第で熱中症にかかる危険性があり、油断は禁物です。特に、梅雨明けの6月から8月は熱中症シーズンが本格化します。職場における熱中症が深刻化している状況を踏まえ、改正労働安全衛生規則が6月1日に施行され、職場における熱中症対策が義務化されました。熱中症は命にかかわる病気ですが、普段からの予防を心がけることで防ぐことができます。「熱中症かな?」と思うような兆候がある際には、周りの人が応急処置を行い、救急車を呼ぶあるいは医療機関へ連れて行きましょう。環境省熱中症予防情報サイト ##熱中症の対処方法(応急処置) (env.go.jp)

参考文献リスト
沖縄県 熱中症による緊急搬送状況
環境省 熱中症予防情報サイト
気象庁報道発表 「熱中症警戒アラート」の運用開始について
厚生労働省 「職場における熱中症対策の強化について」 https://www.mhlw.go.jp/content/001476821.pdf

 

リスクマネジメント・アドバイザー  宮城 和美